ナースコール、押していいの?|助産師が実際に呼ばれている内容と、押すときの目安

ベッドの上でナースコールのボタンに手を伸ばし、押していいのかなと迷っているママのイラスト 分娩

入院中に「こんなことで呼んでいいのかな」とためらったこと、ありませんか。

実際、ナースコールを押したあとで「すみません、こんなことで」と言われることは、とても多いです。

先に結論を書きます。今、体に症状があるとき、赤ちゃんの様子が気になるときは、遠慮なく押してください。

マンガ|ナースコールで呼ばれる内容

ナースコールで「赤ちゃんが泣きやまなくて」と呼ばれる助産師のマンガ
ナースコールで「胸が痛くて」と呼ばれる助産師のマンガ
ナースコールで「ちょっと来てください」と呼ばれる助産師のマンガ
ナースコールで「落ちたガーゼを取ってほしい」と呼ばれる助産師のマンガ

遠慮して、間に合わなかったことがあります

ここから先は、私の職場での話です。産院すべてが同じというわけではありません。

入院中のママたちを見ていて、いちばん気になるのは「押しすぎる人」より「我慢する人」のほうです。

たとえば、陣痛を限界まで我慢してからナースコールを押された方がいました。

駆けつけて内診したときには、すでに子宮口が全開大でした。

そうなると、無痛分娩の場合は間に合いません😭

お産そのものは無事に終わりましたが、バタバタになってしまいました。「もう少し早く呼んでくれていたら」と思うことは、ときどきあります。

気を遣ってくださっているのは分かります。でも、遠慮した結果として、選べたはずのものが選べなくなるのは、私たちとしても残念です😢

これは押してください

  • 陣痛が強くなってきた、間隔が短くなってきたと感じたとき
  • 出血が気になるとき
  • 痛みがあるとき(傷、お腹、胸、どこでも)
  • 赤ちゃんの顔色や様子がおかしい気がするとき
  • 気分が悪い、しんどいと感じたとき

共通しているのは「今、何かが起きている」ということです。

「大したことないかも」と思っても大丈夫です。大したことがあるかどうかを判断するのは、こちらの仕事です。

とくに赤ちゃんについては、「いつもと違う気がする」ではなく「なんとなくおかしい気がする」で十分です。
生まれて数日の赤ちゃんの”いつも”は、まだ誰にも分かりません。気になったら呼んでください😊

これは、あとでも大丈夫です

一方で、急がない内容もあります。

  • 退院後の生活について聞きたい
  • 育児用品のことを相談したい
  • 手続きや書類のこと
  • 今すぐでなくてもいい、ちょっとした疑問

こういうことは、スタッフが必ずお部屋を回るタイミングがあるので、そのときに聞いてもらえると助かります。

思いついたときにメモに書きためておくと、聞き忘れがなくて確実です。
実際、自分でメモを取っているママも多いですし、こちらから「まとめて聞けるようにメモしておきましょうか」とお伝えすることもあります。

夜中に押しても大丈夫です

「夜中は迷惑では」と気にされる方がいますが、夜中に呼ばれて嫌な気持ちになることはありません。

不安があるから押しているのだと分かっているので、そこは何とも思っていません。

ただ、忙しい時間帯に重なると、すぐに向かえないことはあります。その場合は「少しお時間をいただきます」とお伝えして、お待たせすることになります。

ひとつだけ、お願いしたいこと

ここは書いておきます。

「何でもかんでも押していい」という意味ではありません。

マンガの最後にあるように、落としたガーゼを拾ってほしい、というような内容で呼ばれることも、たまにあります。

もちろん、動けない方や、手が届かない場所の場合は、遠慮なく呼んでください。

ただ、産後の入院中というのは、退院後の生活に向けて、自分でできることを増やしていく時期でもあります。

家に帰れば、赤ちゃんのお世話をするのはご自身です。
私たちが何でも代わりにやってしまうと、そのための時間がなくなってしまいます。

できることは自分で、しんどいことや不安なことは呼ぶ。この線引きだけ持っていてもらえると、お互いに気持ちよく過ごせます。

まとめ

  • 今、症状があるとき/赤ちゃんの顔色や様子がおかしい気がするときは、遠慮なく押す
  • 急がないことは、スタッフが部屋に来たときにまとめて聞く
  • 聞きたいことはメモに書きためておくと確実
  • 夜中に押しても、こちらは何とも思っていない
  • 自分でできることは自分で。それが退院後の練習になる

遠慮して我慢するより、押してもらったほうが、こちらは助かります。

この記事の感想やご意見は、コメントで聞かせてもらえるとうれしいです(個別の医療相談にはお答えできませんので、心配なことは必ずかかりつけの産院にご相談くださいね)

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入院・お産のことは、ほかにも書いています。

助産師Fujiちゃん

助産師/看護師。関西出身、関東在住。看護師・助産師の免許を取得後、産婦人科の臨床現場で18年間、たくさんの妊婦さん・ママたちに寄り添ってきました。現在は無痛分娩を行うクリニックに勤務中。プライベートでは6人の子どもを出産し、子育て中です。病院の限られた時間では伝えきれない「本当に知ってほしいこと」を、現場の本音とともに発信しています。

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