フランスでは約82%、アメリカでは約73%。
出産する女性の多くが無痛分娩を選ぶ国がある一方で、日本はまだ約14%(2024年)です。
「なんでこんなに差があるの?」
この疑問、私も現場で働きながらずっと感じてきました。制度の問題、文化の問題……いろんな理由が語られますが、実際に現場にいる身として思うことを、正直にお伝えしたいと思います。
もちろん、日本には「痛みを乗り越えてこそ母になれる」という思想が根底にあることも事実です。その考えを頭ごなしに否定するつもりはありません。ただ、それだけが理由ではない——そう感じています。
📊 まず、数字で見てみよう
| 国 | 無痛分娩率 |
|---|---|
| フィンランド | 約89% |
| フランス | 約82% |
| アメリカ | 約73% |
| 日本 | 約14% |
日本でも少しずつ増えていて、2018年の5.2%から2024年の13.8%へと約2.7倍になっています📈 それでも世界と比べると、まだまだ大きな差があります。
しかも、日本全国の分娩施設のうち無痛分娩に対応しているのは約37%だけ。「希望したくても、近くに対応している病院がない」というのが、多くの妊婦さんの現実です😔
都道府県別に見ると、東京・神奈川・大阪などの都市部では対応施設が比較的多い一方、山形・秋田・佐賀などでは実施率がとくに低い状況です。(厚生労働省 2020年度医療施設調査より)地域によって選べる環境がまったく違うというのも、日本の大きな課題です🗾
🤔 現場で感じる「広がらない理由」
データで見ると差は明らかですが、「じゃあなぜ?」という部分は、現場にいないとわからないことも多いと思います。私が感じていることをお話しします。
👨⚕️ 「やろう」と思う医者が少ない
正直に言うと、これが一番大きい理由だと思っています。
無痛分娩を始めるには、麻酔の専門的な研修を受けたり、体制を整えたりする必要があります。つまり、今までやっていなかったことに、時間とエネルギーをかけて踏み出す必要がある💪
特に地方の個人クリニックでは、今のやり方で何年もやってきているし、わざわざ新しいことを始めなくても…という空気があるのも正直なところです😅
🤝 医者だけじゃなく、助産師の協力も必要
これ、あまり語られないけど、現場ではとても大事な話です。
身近なところで、こんなことがありました。あるドクターが引き継いだクリニックに無痛分娩を導入しようとしたのですが、前院長時代から働いている助産師スタッフが消極的で、なかなか前に進められない——という状況です💦
無痛分娩中の管理は助産師の仕事も大きく変わります。新しいことを覚えなければならないし、慣れないうちは不安も大きい。
それだけじゃなく、助産師という職種はもともと「お産に医療をできるだけ介入させない」という信念を大切にしてきたところがあります。自然の力を信じ、産婦さん自身の力を引き出すことに誇りを持っている助産師も多い🌿 そういう助産師にとって、麻酔を使う無痛分娩は「自分たちが守ってきたお産の形」とは相容れないものに感じることがあるんです。「自然分娩が好き」「医療的な介入に抵抗がある」——そういう気持ちを持つ助産師が一定数いるのも、正直なところです。
スタッフ全員が前向きでないと、どんなにやる気のある医者がいても動けないんです。
逆も然りで、助産師側がやりたくても医者が動かなければ何も変わらない。医者と助産師、両方の意識が変わらないと広がらない——これが現場の現実です。
💰 始めるまでにお金も時間もかかる
設備の整備、スタッフの研修、24時間対応できる人員の確保……導入には相当なコストがかかります💸
自由診療なので料金設定は自由にできるし、うまく軌道に乗れば収益にもなりえます。でも、そこに至るまでの初期投資の壁が高くて、踏み出せないクリニックが多いのが現状です。
⚠️ 医者の負担とリスクが増える
無痛分娩を取り入れると、自然分娩では起きなかったリスクや合併症への対応が増えます。麻酔中毒、硬膜外血腫、器械分娩の増加や産科危機的出血……「もし何かあったとき」というプレッシャーは、医者にとってかなり大きいものです😰
「リスクとリターンが見合わない」と感じてしまう気持ち、私には理解できる部分もあります。
📰 2017年の事故の記憶
2017年、無痛分娩中の医療事故がメディアで大きく報道されました。施設側にも産婦さん側にも、その印象がまだ残っている部分があると感じます。
この出来事がきっかけでJALAが設立され、安全基準の整備も進みました✅ でも「怖い」というイメージはそう簡単には消えないものです。
🌱 それでも、確実に変わってきている
2018年に5.2%だった無痛分娩率が、2024年には13.8%まで上昇しています。6年間で約2.7倍📈
ゆっくりですが、確実に変化は起きています。「無痛分娩を選びたい」という声が増えれば、施設側も対応せざるを得なくなります。選ぶ人が増えることが、日本の産科医療を少しずつ変えていく力になると思っています🌸
🌸 助産師として、思うこと
「なぜ日本は少ないのか」を現場目線で考えると、制度や文化だけでなく、現場で働く医者・助産師一人ひとりの意識がいかに大きく影響しているかを実感します。
「無痛分娩が当たり前の選択肢」になるには、まだ時間がかかるかもしれません。でも、こうして情報を集めて、自分の産み方を考えているあなたのような人が増えることが、少しずつ変化を生んでいくと私は思っています😊
✨ まとめ
- 🌍 日本の無痛分娩率は約14%。フランス82%・アメリカ73%と比べると大きな差がある
- 🏥 対応施設はまだ全体の約37%。都市部と地方で大きな地域格差もある
- 📚 医者が踏み出す意欲・研修・設備投資のハードルが高い
- 🤝 医者と助産師、両方の協力がないと成立しない
- 🌿 「自然分娩を大切にしたい」という助産師の文化的背景も影響している
- ⚠️ 医者の負担・リスク増加をためらう施設も多い
- 🌱 それでも2018年から2.7倍に増加中。変化は確実に起きている


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