硬膜外麻酔を入れる瞬間、実際どんな感じ?現役助産師が本音で教えます

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「無痛分娩を希望しているけど、背中に針を刺すのが怖くて…」

そんな声をよく聞きます。見えない場所で何かをされる、という不安は自然なことだと思います。実際、その怖さを理由に無痛分娩を諦めるママもいるくらいです。

この記事では、硬膜外麻酔の処置が実際どんな感じなのかを、現場で何度も立ち会ってきた助産師の視点からリアルにお伝えします。

🤔 処置前のよくある疑問

Q. 太い針を使うって聞いたけど、痛いの?

硬膜外麻酔に使う針の太さは、献血のときに使う針と同じくらいです。ただ、硬膜外麻酔の針を刺す前に、まず局所麻酔(麻酔の前の麻酔)をします。これで皮膚をしっかり麻痺させてから本番の針を入れるので、硬膜外麻酔の針そのものの痛みはあまり感じないことが多いです。

現場でよく聞くのがこの声です。「麻酔の前の麻酔の方が痛かった!」 本番より準備の方が痛かった、というのはある意味うまくいっているサインでもあります😅

Q. 脊髄に直接刺すの?怖い…

これは誤解です。硬膜外麻酔は、脊髄を包む膜(硬膜)の外側にある「硬膜外腔」というスペースに針とチューブを入れます。脊髄そのものに触れるわけではありません。

Q. 失敗したら麻痺になるって本当?

⚠️ ゼロではない、というのが正直なところです。針を刺した場所に血の塊(血腫)ができ、神経を圧迫して痺れや麻痺が起きる可能性がごく稀にあります。ただし、頻度はかなり低いケースです。

💪 処置中のよくある疑問

Q. 処置中はどんな体勢をとるの?

椅子に座ってエビのように背中を丸める「座位」か、横向きに寝て丸める「側臥位」で行います。施設によってどちらかが異なります。

Q. 陣痛中に動かないでいられるか不安…

この姿勢の良し悪しが、麻酔がスムーズに入るかどうかを左右すると言っても過言ではありません。お腹が大きい中での姿勢保持は大変ですし、陣痛がきたら本当に辛いと思います。でも処置の間だけは、なんとか動かないように頑張ってください。

もし処置中に陣痛がきたら、先生に「陣痛がきました」と声で教えてください。陣痛の間、処置を進めるのを待ってくれるはずです😌

体に力が入ってしまいそうなときは、深呼吸しながら少しずつ力を抜くのがコツです。麻酔が効いたら天国になるので、それを信じて乗り越えて!笑

💉 麻酔が入った後のよくある疑問

Q. 処置が終わったらチューブはどうなるの?

処置が終わっても、細いチューブ(カテーテル)が背中に入ったままの状態が続きます。「針が刺さりっぱなし」ではなく「チューブが通っているだけ」なので、それほど気になりません。このチューブを通じて、必要なときに薬を追加投与できる仕組みになっています。

「動いたらチューブが抜けたりズレたりしないですか?」とよく聞かれますが、テープでガッチリ固定してあるので大丈夫です!逆に全く動かない方が、床ずれや神経麻痺の原因になるので、ベッドの上でゴロゴロ動いてください😀

Q. 麻酔が入った後、血圧は下がるの?

一時的に血圧が下がることがあります。そのため処置後はしばらく血圧や赤ちゃんの心拍をしっかりモニタリングします。何か変化があってもすぐ対応できる体制で進めているので安心してください😊

Q. すぐに効くの?

硬膜外麻酔は、薬が入ってから効果が出るまでに最低でも20分ほどかかります。痛みが強い場合は、薬を何度か追加しないと効いてこないこともあります。

ちなみに「脊椎くも膜下麻酔」という方法では数分で効果が出ることが多いです。硬膜外麻酔と組み合わせて使う施設もあり、方法は施設によって異なります。

Q. 片方だけ効かないことってある?

あります。片方だけよく効いて、もう片方はまだ痛い…というケースがあります。麻酔薬は重力の方向に流れていくので、痛い方を下にした姿勢になると痛みが軽減されることも多いです。それでも全く痛みが変わらなければ、チューブの位置を調整したり、入れ替えの処置を行うこともありますので、感覚に違和感があれば、遠慮せず担当のスタッフに伝えてください。

Q. 感覚が全くなくなるの?

痛みは取れますが、感覚がすべてなくなるわけではありません。 お腹が張る感じや、触られている感覚は残ります。むしろ感覚が全くない状態は麻酔が効きすぎている可能性があります。

全身麻酔とは全く別物で、意識はしっかりあり、手足も普通に動かせます。お産の瞬間も、ちゃんと自分で産む感覚はあります。

Q. かゆくなることってある?

麻酔薬の副作用で、体がかゆくなるママがいます。不快に感じたらスタッフに伝えてください🙋

Q. 一回刺したら終わり?

処置がスムーズにいけば一回で終わることもあります。ただ、チューブがうまく入らなかったり、2本のチューブを入れる必要があったりした場合は、複数回刺すこともあります。「また刺すの!?😮」と驚かれるかもしれませんが、安全のために必要な対応です。

🌸 助産師として、思うこと

怖いと感じるのは当然のことだと思います。

見えない場所で処置が進む、陣痛がある中で動いてはいけない——想像するだけで緊張しますよね。

でも実際に処置を終えたママたちが口をそろえて言うのは、「思ってたより全然大丈夫だった」という言葉です🥹

正しい知識を持って臨むことで、必要以上に怖がらなくて済みます。この記事が、その一助になれば嬉しいです。

✨ まとめ

  • ✅ 針を刺す前に局所麻酔をするため、硬膜外針そのものの痛みは少ない
  • ✅ 「麻酔の前の麻酔の方が痛かった」というママが多い
  • ✅ 脊髄に刺すわけではなく、硬膜外腔というスペースに入れる
  • ✅ ごく稀に血腫による神経圧迫のリスクはある
  • ✅ エビのように背中を丸める姿勢が処置のカギ。陣痛がきたら声で教えてOK
  • ✅ 処置後もチューブは背中に入ったまま。ゴロゴロ動いてOK
  • ✅ 血圧が下がることがあるのでモニタリングが続く
  • ✅ 効果が出るまで最低20分。「すぐ効く」は誤解
  • ✅ 痛みは取れるが感覚が完全になくなるわけではない。意識もある
  • ✅ 効き目に左右差やかゆみが出ることもある

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