無痛分娩の副作用って何がある?かゆみ・発熱・震え・吐き気を現役助産師が正直に解説

無痛分娩の副作用(かゆみ・発熱・震え・吐き気)を解説するイメージ画像 無痛分娩

無痛分娩を考えるとき、「副作用ってあるの?」と気になりますよね😌

結論から言うと、あります。しかも、まったく何も起きないほうが珍しいくらいです。

でも、そのほとんどは「起きて当たり前」で、想定内のものです。現場では「起きたらどうしよう」ではなく、「起きたときにどう動くか」を決めてお産に臨んでいます。

この記事では、実際によく見る順に5つ、正直にお話しします。

🌡️ ①かゆみ ── 一番よくあります

頻度でいえば、これがダントツで多いです。正直、かゆくならない人のほうが珍しいくらい。

全身がかゆくなりますが、実際によく掻いているのはお腹・胸・腕・太もも・顔——つまり自分の手が届くところです。麻酔は腰から入れるので、そこに近い場所ほど出やすいのかな、という印象があります。
じつはこのかゆみ、麻酔薬そのものというより、一緒に入れている痛み止め(医療用の麻薬)の作用だといわれています。薬が背中から広がって、かゆみを感じる神経のスイッチを押してしまうためです。

麻酔を始めてすぐ、ポリポリと掻き出す方が多いので、私はそのタイミングで「これは麻酔の影響ですよ」とお伝えするようにしています。
知らないと「アレルギー?😨」「何かの発疹?😥」と不安になってしまうので。

対応は、基本は様子見です。あまりにかゆみが強いときは冷やすこともあります。
私の職場では薬は使いませんが、使う施設もあると思います。

体に害があるものではありません。ただ、ママによってはけっこう苦痛に感じる方もいますし、
掻きむしると傷になることもあります。

🔥 ②発熱 ── これは、しっかり見ています

これもよくある副作用です。研究では、無痛分娩をした人の15〜25%に発熱が見られると報告されていて、初産の方だけで見るともっと高いというデータもあります。
私の実感としても、麻酔をしている時間が長いほど、熱が出る方は増える印象です。
これは研究でも裏づけられていて、麻酔の時間が6時間を超えたあたりから、はっきり増えるといわれています。

ただし、ここは単純ではありません。お産が進んでくると、それだけでも体温は上がってきます
さらに厄介なのが、感染による熱との区別が難しいことです。

現場での実際の流れ

ここから先は、私の職場ではこうしている、という話です。無痛分娩をしている産院すべてが同じようにしているわけではないので、そのつもりで読んでください。

私の職場では、体温を2〜3時間ごとに測っています。そして体温に応じて、だいたいこんな流れで動いています。

  • 37度台後半:点滴を増やす/お部屋の空調を調整する
  • 38度を超えたら:クーリング、医師に報告。場合によっては解熱鎮痛薬(アセリオ)を使うことも
  • 感染が疑われ、赤ちゃんの心拍が速くなってきたら:お産を早く終わらせる方向へ切り替えることもあります

赤ちゃんはどうなるの?

ここが一番気になるところだと思います。

生まれた赤ちゃんは、呼吸に問題がなく、体温が高いだけなら、特別なことはしません
体温が高ければ、下がるように保温を工夫します。たいていは生後2時間以内に落ち着きます

それでも下がらない場合は、医師に報告して保育器で様子を見るか、より設備の整った病院へ搬送することもあります。
私の職場はクリニックなので、様子を見すぎない——これは意識しているところです。

ただし、これはあくまで「設備の限られたクリニックでの対応」です。大きな病院やNICU(新生児集中治療室)のある施設では、必要に応じて赤ちゃんの採血をしたり、点滴をしたりすることもあると思います。その施設で何ができるかによって、赤ちゃんへの対応は変わってきます。

🥶 ③震え(シバリング)

時々あります。ガタガタと震えるので驚く方もいますが、体温が上がる前ぶれとして出ていることが多いです。

なので「これから熱が上がってくるかもしれませんね」とお伝えして、体温を測り、布団や空調で温める——という対応をしています。

🤢 ④吐き気

これは、私の感覚では「麻酔の副作用」というより、別のサインであることが多いです。

  • 麻酔が効きすぎている
  • お産が進んできた
  • 血圧が下がっている
  • 麻酔に混ぜている医療用の鎮痛薬によるもの

麻酔の効き具合に問題がなく、危険なサインもなければ、様子を見ることが多いです。「気持ち悪い」と言われたら、まず血圧を確認する——ここは外せません。

📉 ⑤血圧が下がる ── 頻度は低いけれど、一番気をつけています

麻酔を入れた直後に時々起こります。頻度はそれほど多くありませんが、これが一番気を張るところです。

なぜなら、ママの血圧が下がると、赤ちゃんの心拍も下がることが多いから。

だから予防を大事にしていて、麻酔を入れる直前に点滴を500mlほど先に入れておきます

それでも赤ちゃんの心拍が下がったときは、酸素投与・体の向きを変える・点滴を急速に入れる、といった対応をします。陣痛が強すぎるときは、それをやわらげる薬を使うことも。
それでも心拍が戻らなければ、緊急帝王切開です。

こう書くと怖く感じるかもしれません。でも、起きることが分かっていて、見ている人がいるということは、裏を返せば起きても対応できるように備えているということです。

🩺 Fujiちゃんの現場から

よく見る順に並べると、こんな感じです。

  • かゆみ(体に害はないけれど、ママはつらい)
  • 発熱
  • 吐き気
  • 血圧低下
  • 震え

でも、私が事前の説明で一番強調するのは、発熱と血圧低下です。頻度の順番とは違います。

理由はひとつで、赤ちゃんに影響が出る可能性が高いのがこの2つだからです。
かゆみはつらくても赤ちゃんには関係ありません。
でも発熱と血圧低下は、赤ちゃんの状態に直結します。

✅ まとめ

  • 副作用はある。むしろ何も起きないほうが珍しい
  • 一番多いのはかゆみ。害はないが、知らないと不安になる
  • 発熱は15〜25%に見られる。私の職場では2〜3時間ごとに体温を測っている
  • 血圧低下は頻度こそ低いが、私の職場では予防の点滴まで含めて動き方を決めている
  • 医療者が本当に見ているのは、赤ちゃんに影響が出るかどうか

副作用があると聞くと不安になると思います。
でも「知られていて、見ている人がいる」ものは、想定外のことではありません。そして対応の仕方は産院によって違います

気になることがあれば、麻酔の説明を受けるときに「副作用が出たらどうしますか?」と聞いてみてください。答えてもらえるはずです🌷

👉 無痛分娩について、ほかにも記事を書いています。全部まとめたページはこちらです。
【無痛分娩ガイド】現役助産師が答えます|費用・流れ・不安のすべて

この記事の感想やご意見は、コメントで聞かせてもらえるとうれしいです😊(個別の医療相談にはお答えできませんので、心配なことは必ずかかりつけの産院にご相談くださいね)

助産師Fujiちゃん

助産師/看護師。関西出身、関東在住。看護師・助産師の免許を取得後、産婦人科の臨床現場で18年間、たくさんの妊婦さん・ママたちに寄り添ってきました。現在は無痛分娩を行うクリニックに勤務中。プライベートでは6人の子どもを出産し、子育て中です。病院の限られた時間では伝えきれない「本当に知ってほしいこと」を、現場の本音とともに発信しています。

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