母乳育児のリアル〜出るようになるまでの話〜【助産師が解説】

妊娠中
母乳育児のリアル 4コマ漫画

🤱 はじめに

「母乳で育てたい」と思っているプレママさん、または産後まさに授乳で悩んでいるママさんへ。
この記事では、母乳育児のリアルな話をします。

助産師として多くのママたちをサポートしてきた中で、産前のイメージと産後の現実にギャップを感じているママをたくさん見てきました。
事前に知っておくだけで、少し楽になれることがあります。ぜひ読んでみてください。

😲 よくある誤解〜産前のイメージと現実のギャップ〜

まず、母乳育児についてよくある「思い込み」を3つ紹介します。
あなたも産前はこう思っていませんでしたか?

❌ 誤解① 赤ちゃんが生まれたらすぐ母乳が出る

実際は、本格的に母乳が出始めるのは産後2〜3日ごろからです。
産んですぐに「ジャーッ」と出てくるわけではありません。
最初はほんの数滴しか出ないのが普通です。

なぜすぐに出ないのかというと、胎盤が娩出されるタイミングで「おっぱいを作る工場」が動き始めるからです。
妊娠中は胎盤から分泌されるホルモン(プロゲステロン)の影響で、母乳の産生が抑えられています。
胎盤が体の外に出た瞬間にそのブレーキが外れ、プロラクチンというホルモンが働いて乳腺が母乳を作り始めます。
つまり、工場が稼働し始めたばかりの状態なので、すぐにたくさん出てくるわけではないのです。

おっぱいが作られるしくみ(胎盤娩出後)

❌ 誤解② 何もしなくても勝手に出てくる

母乳は「吸わせた分だけ作られる」しくみになっています。
赤ちゃんに頻繁に吸ってもらうことで、少しずつ量が増えていきます。
何もしなくても自然に溢れてくる、というイメージとは少し違います。

しくみとしては、赤ちゃんが乳頭を吸う刺激が脳に伝わると、プロラクチンとオキシトシンというホルモンが分泌され、乳腺が母乳を産生・射出するという流れです。 いわば「需要と供給」のしくみで、吸わせることが「もっと作れ」というシグナルになります。 逆に、吸わせる回数が少ないと「そんなに必要ないんだな」と判断されて、量が増えにくくなってしまいます。 だからこそ、頻繁に吸わせることが母乳を増やす基本なのです。

母乳は吸わせた分だけ作られるしくみ

❌ 誤解③ 「3時間おきの授乳」=間に3時間の自由時間がある

「3時間おきに授乳」と聞いて、「授乳と授乳の間に3時間休める」と思っていたというママは多いです。
でも実際は、授乳間隔はバラバラで、30分おきのこともあります。
授乳→寝かしつけ→気づいたらもう次の授乳…という繰り返しで、自由な時間などなかった、というのが多くのママのリアルです。

⏳ 母乳が出るようになるまで時間がかかる

入院中(産後2〜5日程度)にしっかり母乳が出るようになる人は、少数派です。
ほとんどのママは「やっと出始めた」か「まだほとんど出ていない」という状態で退院します。

家に帰ってから少しずつ出てくるようになる人も多いです。
でも一方で、思ったより出なかった…というママも少なくありません。
母乳の出は、ある意味「体質」によるところが大きいのです。

「頑張れば誰でも出るようになる」とは言い切れません。
それを知らずに「出ないのは私の努力が足りないせい」と自分を責めてしまうママをたくさん見てきました。
そうじゃないんです。

🔄 母乳を増やすには「頻回授乳」が基本

母乳を増やしたいなら、最低でも1日8回以上吸わせることが基本です。
「8回」というのは目安で、もっと多くなることもあります。

これだけ聞くと「それは大変…」と感じますよね。
そうです、大変なんです。
「母乳で育てたい+しっかり休みたい」はなかなか両立しません。
そのことを産前から知っておいてほしいのです。

「母乳育児は経済的」とよく言われますが、これだけの時間と体力を使うことを考えると、一概にそうとも言えません。
(詳しくは母乳とミルクの記事で書いています!)

🔍 初めての授乳は手探りだらけ

初産婦さんは、自分の体がどんなタイプかを産む前には知る方法がありません。
「母乳が出やすい体質か」「赤ちゃんが上手に吸えるか」は、産んでから初めてわかることです。

だから、最初は誰でも手探りです。
「母乳が出てるのかな?」「ちゃんと飲めてるのかな?」「足りてるのかな?」
そんな不安を感じながら授乳しているママがほとんどです。それは当たり前のことです。

👶 赤ちゃんの発育を最優先に

授乳方法にこだわるあまり、大切なことを見失わないでほしいのです。
一番大事なのは、赤ちゃんがちゃんと育っているかどうかです。

体重が増えているか、おしっこ・うんちが出ているか。
これが確認できていれば、母乳でもミルクでも混合でも、方法はなんでもいい。
産後1ヶ月ごろまでが、一番わからなくて不安で大変な時期です。
どうか授乳方法より、赤ちゃんの発育を軸に考えてほしいと思っています。

🆘 困ったら、一人で抱え込まないで

授乳がうまくいっているかどうか、不安なら確認できる場所があります。
遠慮せずに利用してください。

  • 🏥 母乳外来:助産院や病院で受けられる授乳の専門相談
  • 💬 育児相談:保健センターなどで行われている相談窓口
  • 🏠 新生児訪問:助産師や保健師が自宅に来てくれるサービス
  • 🏨 産後ケア:助産院や病院に泊まりで休める宿泊型のケアサービス(日帰り型もあります)

「こんなことで相談していいのかな」と思わなくて大丈夫です。
授乳の悩みは、ほぼすべてのママが経験しています。
専門家に聞くのが一番の近道です。

👶 Fujiちゃんの体験談

ここで少し、私自身の体験談をお話しします。
実は、6人目にして初めて完全母乳を達成しました!

🔹 1人目:4ヶ月まで母乳で頑張ったものの、2人目の妊娠が発覚(!)して断念。ミルクに切り替えました。
🔹 2・3人目:あまり覚えていないけど、混合でやっていたと思います…笑
🔹 4・5人目:双子だったので混合。1人は母乳、もう1人はミルク…と交互にあげていた記憶も。2人分は出なかったけど、1人分は出ていた気がします。

🔹 6人目:双子から12年ぶりの育児!
助産師だし、一度くらいは完全母乳にしてみたくて、初めて本気でこだわりました。
入院中から夜間も母子同室にして、2時間ごとの頻回授乳。退院後も最初の1ヶ月は1〜2時間ごとの授乳で、1日14〜16回くらいおっぱいをあげていました💦
1日1回だけミルクを足していましたが、正直めちゃくちゃ大変でした!笑
幸い母乳も出るようになって、1ヶ月を過ぎたころから母乳だけでいけるようになりました。
ただ、その後も2時間ごとの授乳が2歳ごろまで続きました…笑

助産師として頻回授乳の大切さはわかっていたけど、実際にやってみると本当に大変。
「頑張れば誰でもできる」ではなく、「体質も含めていろんな条件が重なってできた」というのが正直なところです。

💌 まとめ:Fujiちゃんからひとこと

母乳育児は、思っていたより大変なことが多いです。
すぐ出るわけでもなく、努力すれば必ず出るようになるわけでもない。
それが正直なところです。

「出なかった」「うまくいかなかった」としても、それはあなたのせいではありません。
体質もあるし、赤ちゃんとの相性もある。
完璧な授乳なんてなくていい。

どんな方法でも、あなたが赤ちゃんのことを思って選んだ授乳が、正解です。
どうか自分を責めないでください。🌸

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